とある映画の感想。

撮影中も、公開開始も話題になってた
地元が舞台のとある映画。
おもしろいよー、と聞いていたのだけど、
見たい見たいと思いつつタイミングを逃し続けて
ようやく、じわじわと見終わったところ。

でも、すごく、困っちゃった。
よかったところをピックアップして、
「よかった」って言うのはかんたん。
実際、「ああ、いいなあ」って思ったとこもあった。
だけど、「ありえない設定」「矛盾する表現」は、
物語世界の根底をくつがえしてしまって、
「ああ、これ、作り話だったっけな」と
冷めた目になっちゃって入り込めなくなっちゃう。

残念。
個人的には、偏執狂的に
ディテールが「注意深く」作られた作品が好きです。
見えない部分、描かれていない部分もイメージで補完できるような。

なんというか、作家や、監督は
その作品世界を好きに左右できる
「神」のような存在ではなく、
その作品世界の存在を知り、人に伝えることができる
「伝道師」のような存在である、と思っています。

なんだろうな、作品世界への敬意?
ごにゃごにゃ、考え中。
emix | 映画 | 05:56 | comments(3) | - | - | - |

「カムイと生きる」の、スピンオフ感想。

昨日で最終日だった、「カムイと生きる」。
映画の趣旨とは別に、物思いをしてしまったのだった。

映画(ドキュメンタリーだけど)の中に深い共感とともに入り込めたら、
先住民族は素晴らしい思想と実践を積み重ねて来たのだ、と
素直に納得できたのだろう。

でも、じゃあ、自分は、何者だろう、と思ったとき、
わたしは、かなしいことに、アイヌじゃない。(好きで、素晴らしいと思うけれど)
そして同時に、純粋な倭人でもない。たぶん。

わたしはおそらく…………歴史が積み重ねてきた結果の、
「混血の存在」であろうと思う。
血筋としても、思想としても。

すばらしい、うつくしい、アイヌのかたがたの
考えかた、行い、それらを見つめるうちに、
なんだか、疎外感を感じちゃったりしたのだ。
いいなと思うのに、私はそこに入れない……。

寂しくなってしまった。

でも、きっと、わたしは
「混じり合った存在」として、
たぶん、何かの証明ができるはずなのだ。

そう思い直して、
「混じりもの」でなければ、できないことを
きっちり模索しようと思った。

自分と同一の「混じりかた」をしているひとは少ないだろうけど、
ベースが違っても、同じ「混血」構造のなかにいるひとは、
きっとたくさんいるのだから。

それぞれuniqueな存在でありつつも、
自分と他の人の人生が重なるというのは、
そういうことなのだと思う。

emix | 映画 | 00:00 | comments(0) | - | - | - |

ミツバチの羽音と地球の回転。

ずっと見たいと思いつつ、
時間の都合や気分のテンションが合わず、
なかなか見れなかったこの映画。

先日、地元での上映会があり、ようやく行って来ました。


まず、最初に、監督の鎌仲ひとみさんのメッセージ。
先入観として、
精力的に活動し、こんなドキュメンタリー映画も作ってしまうのだから、
さぞかし、すごい人なんだと思ってた。

でも、なんか普通にホームビデオでちょいの間に撮影したような
日情感の中で語られる声を聞いて(撮影場所も、玄関先とか、そんな感じだった気が)、
とても肯定的な意味で「ふつうの人なのだ」と思った。
言葉を選びつつ、ちょっと言い間違えつつ、
アジテーション的では全くなく、とつとつと語るその抑揚の少ない声に、
「この人は、煽動者ではなく、語り部なのだ」と思った。
ふっと、信頼感が生まれた。

「原発反対」っていうと、
どうしても、がんばらなきゃ、はたらきかけなきゃ、
みんなで心を一つにしなきゃ、
そんな使命感に似た何かを感じて、
「がんばって働きかける」人がいる。

そのすべてを否定する訳ではないけれど、
「そのやりかたじゃ、通じない」。
それが活動家たちに持った、大きな印象だった。

誰かに働きかけるんじゃなくて、
自分が黙って動いて見せる。

相手が、自分の行動に関心を持ち、
自分のほうを向いたときにはじめて
「思いが通じる」という、効率の面で見たら
なんとも非効率的なアピールだけど、
「ちゃんと、通じる」
そのために、必要な土壌づくりなのだと思った。

家を建てるときにしても、そうだ。
地ならしに時間かけないほうが、早く建つ。
木を乾燥させるのに、自然乾燥だと時間がかかるから
高温で一気に水分を飛ばすと効率的。
……その結果、どうなるかといえば、
「問題をはらみ、寿命も短い」……そんな家になる。

遅いのがいい、そういう訳じゃないけど、
「早いのが正しい」「とにかく効果が出るのが正解」
そういう価値観には、やっぱり小さく警鐘を鳴らしたい。
たとえ手段が間違っていても、効果だけが出ることは、往々にしてあるのだから。

後で、誰かから聞いた。
「鎌仲さんは、大事なことを言うとき、すっと声が小さくなるんですよ」と。
そういえば、そうだったかもしれない。

「大きな声にしない」
その姿勢も、好きだなと思えた。

そんなこんなの印象を持ちつつ、本編へ。

内容は、上関原発に反対する祝島の人たちの活動。
そして、スウェーデンの「持続可能なエネルギー」実例の紹介。

表面だけをなでて見れば、

 「原発はいけない。
 持続可能なエネルギーに転換すべき。
 それは風力をはじめとする、自然エネルギーだ」

という、「問題の提示」「答えの提示」に見える。

そういう見方をする人も、いるのではないか。
そして、けっこう、
「風力が今、もっとも優れているエネルギーだ」と
いっているようにも見える。(これは、そうかもしれない)

でも、これらの自然エネルギーの紹介をするとき、
鎌仲さんの声で入るナレーションには、
すべて、「補足」がついていた。

ある小さな村にある、村の電気をまかなう
風力発電設備については、
「資産家からお金が出た」と。

木質バイオマスを使い、熱いお湯を
各家庭に配管で配り、
電気の使用量を大幅に落とす
「地域暖房」を実現させたことについては、
「EUから補助金が出た」と。

掃除、乳搾り……そんな酪農での作業のほとんどをロボット化し、
人件費の削減とともに、それらの屎尿でメタンガスを採取、
発電につかう設備を作った(作成予定だったかな)ことについては、
「株式会社にして、出資金を募った」と。


「大きなところから、お金が出て、行われる」。
原子力発電と同じ構造。

どうしても、その問題は、出てくる。
「それを分かったうえで、新しい選択をしていきましょう」
そういうふうに、伝えてくれているのではないか。


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ひとつ、気になったのは、風力のこと。
補助金のことについてはふれつつも、
「代表的な、クリーンエネルギー」として
紹介されていた。と思う。


確かに、クリーン。
みんな、ほめてた。
出てきた子どもも、誇らしげに、
「うちの電気は、ぜんぶ風力のなの」といってた。

でも、私は、かなり個人的な感傷も含めて、
風力発電は、キライなのだ。

……ああっと、言葉を変えよう。

白くてでっかくてちょんちょんのブレードを持った、
あの風力発電は、キライ。
と。

よく知られている
「このタイプの風力発電の悪いところ」は、

・低周波問題がある
・長大なブレードの分解が出来ないため、
 運搬のために非常に広い道をあらたに山頂まで拓かねばならない
・壊れても修理できない
・よく壊れる
・立てることに補助金がついているので、お金儲けしたい人がとにかく立てたがる
・ブレードが回ることで、光と影がちかちかするストロボ効果がずっと続くことで、
 動物が安心して住めない環境をつくってしまう。
 その場所から逃げられない動物(囲われているもの、つながれているもの)はノイローゼになる
・回転するブレードが局所的に急激な気圧変化をもたらし、
 タイミング悪く通りかかるコウモリの肺を破裂させ、死なせる
・風が通る=渡り鳥のルート上に建つ。山深い尾根=鳥の住処。
 あのブレードが凶器となって鳥を切断する

だ。

個人的な感傷といったのは、
私は、鳥が好きだということ。
特に、猛禽がたまらなく好きだ。
地上で一番美しい生き物ではないかと
恋しているに近い。

アイドルには心動かされぬ女子だったけど、
掛川花鳥園(フクロウがいっぱいいる。鷹匠ショーみたいなのもある)に行ったときには、
もう、心奪われまくりだった。たぶん、目がキラキラしてた(笑)。

だから、「風力をもっとよく考えよう」というときに、
上記の理由を総合的に挙げ、理性的に述べることもできるのだけど、
よくよく、自分の心と相談してみると、
もし、上記の理由のうち、一番下の「鳥問題」以外のすべてが
いいかんじに解決したら賛成するか、と考えたら、
切断された猛禽の写真がふっと思い出され、
「これが解決してなきゃ、やっぱり嫌だ」と思った。


その場所に住む生き物と共存できる、
小規模の、発電。

それは、夢物語ではないはずだ。

いろんな発電があるという例を見せてもらった。
いや、発電以外にも、そもそも
「電気を使っていた作業を、電気以外の手段で作業すること」も充分可能。
(「耕して、肥やしを作るぶた」は、けっこういいなと思った)
そんな例も、映画を通してちょこちょこ教えてもらった。

これらの素材をもとに、
「私は私の考えを、まとめたい」
そう思う。

それが、一般的でなくても。
みんなが賛成してくれるものでなくても。

だって目指すのは、「小規模」だから。

はたらきかけずに、実証していくこと、
それが私の「身の丈の行い」だ。きっと。

風力発電
emix | 映画 | 05:55 | comments(0) | - | - | - |

犬と猫と人間と。

mixiに書いたことですが、
こちらにも転載しておきます。

まだ見ていない方、
伊勢まで行動範囲な方、
あと2日です。

ちょっとでも気になっている方、
下記、読んでみてください。
そして、よかったら映画館に
足を運んでみてください。


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ドキュメンタリー映画「犬と猫と人間と」の上映、
新富座ではじまりました!
http://www.h5.dion.ne.jp/~shintomi/special/inutonekoto.html

もっと悲壮感の中で泣かされてしまうかと思ったけど、
悲しいシーンはやっぱりあったんだけど、
それ以上に、映画の中に出てくる、さまざまな現場にいる
やさしい人たちのしっかりした、かつ、やさしさのにじみでる
言葉や姿勢に打たれて、かなしみより、納得とかのほうが
ずっと多くて、大丈夫でした。

保護活動をされている奥さんの、
「愛情とは、見捨てないことです」と
さらりと言っていたことばとか、
不妊治療をする獣医の先生が
捕獲された野良猫から
子猫の入った子宮を取り出して
そっと涙をぬぐっていたこととか、
「犬猫嫌いの人では、きっとモノあつかいになってしまう。
せめて、僕らのような、好きな人間がやったほうがましなんです」
と処分所の人が、やりきれない顔で言っていたこととか。

ドキュメンタリーだからこその、
生のそんな声や表情を、
ぜひ、この「聞き書き」で納得するんじゃなくて、
映画を通して、聞いて欲しい、見て欲しい、と思います。
それがきっと、
この映画の製作を依頼をした「猫おばあちゃん」の意志であり、
それに対する監督のアンサーなのではないか、
と感じました。
(映画製作への顛末とかは、公式サイトを見てね)
http://www.inunekoningen.com/

自主上映のため、期間は短くて
24日(木)に、終了です。

告知段階で、人にすすめたときに
「つらいから、見たくない」という人はけっこういて、
その気持ちは私もよくわかるので
無理にすすめるものではないと理解してるけれど、
こういった現実や生の声を知った上で
「やっぱり、かわいそうなのは見てられないわ」と
あらためて、判断してもらいたい、という気がしたので
わりとしつこめに、おすすめする次第。

にゃんだぼ、しろえもん、
登場する動物たち、めっちゃかわいいし。

犬も猫も、本来みんな、人間が好きなんだよねえ。
emix | 映画 | 19:53 | comments(1) | trackbacks(0) | - | - |

映画について

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emix | 映画 | 18:56 | - | - | - | - |
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