ビクトル・ハラのはなし。

最近、彼のことをたてつづけに何度かかいているので
ちょっとバランスかたよりぎみですが、
やっぱり、今の時代、今の状況、今の日本、今の政府、
それらの状況を考えると。
そして、この8月というふりかえりの月に。

「戦争を、繰り返してはいけない」

と、あらためて、強く思う。


「戦争」は、手に武器を取って人と人とが争い、殺し合う、
あのわかりやすい、血と涙が見える状況のことじゃない。

人が傷ついてるのがへいきだとか、
自分の得のために犠牲を生むことを当然と思うとか、
正義とか大義名分を暴力のために使うとか、
助けられる人を見捨てるとか、
責めやすいひとを、ひとのことばに乗って責めるとか、
魔女狩りのような疑いあい、蹴落としあい、
自分だけたすかればいいと思うこと……

そういう「こころ」があるならば、
すでに、「戦争(状態)」だと思う。

そこに、たったひとつ、最後の一石、
「武器」という要素が入っただけのもの、
それがいわゆる「戦争」…
…「争うこころが、わかりやすい形をとったもの」。
そう思う。


そして、今の状況は、
ほんとうにかなしいことだけど、
まさしく、「戦争状態」に入っている、と思う。

いや、入っていたのが、顕在化したというべきか。
自分の国がそうなったからようやく、ほんとに遅まきながら、
私も、こころのなかで漠然としていたものを、
間違いなくそうだ、と自覚を強めたというところにすぎない。
豊かな自然や資源を持つはずのひとびとが、
なぜか「貧しい国のひとびと」として苦しんでいる
ずいぶん前から、世界の各地にあった、たくさんの状況。
数えれば、あれも……これも……と
ほんとにたくさん見いだせてしまう、状況。


弱い立場のひとの声は踏み消され、
ほんの一部の「成果」が声の大きなツールで喧伝され、
大きな力を持つものは助けにまわるどころか
自分の「大きな力」を維持することに躍起になり
大きな力を「多数決」に置き換え民主主義のふりをして、
たくさんの人を泣かせ苦しませるという、あべこべがまかり通る。


……推敲不足のまま、書くことではないのだけれど、
とにかく、今が、こわい。よくないと思う。
このままじゃ、だめだと強く思う。
天災以上に、ここに警鐘を。
(またまとめます)


……で、彼のはなしに戻る。
ビクトル・ハラが生きた、
……そしてむごく殺された国で
おこっていたこと。

チリの軍事クーデター。
その、胸の悪くなるような、背景。
戦争以外のなにものでもないと思った。
……そこから、わたしの「戦争の拡大解釈」がはじまったともいえる。

個人的に、知ってから、すごく気になる、忘れられないはなしだった。
そして、知らなかったことに恥ずかしさを感じるとともに、
「教育」の現場では、表だって知らされてなかったことも、同時に思った。


……最後の一石を、投じさせないために。
それが投じられるときは、まちがいなく、
なんらかの「正当化」とか「嘘とごまかしの情報」の中で
行われるゆえに。


歴史を、ちゃんと「自分で考えて」、学ばなきゃいけない。
ことばの嘘と本当を見抜く力を「自分のなかのものさし」で、持たなければならない。

知識という素材から、
未来を想像する知恵を。

想像してみよう……「イマジン」。


……そんなことで、
うたのちからを、思うのです。

届く声。思い。

emix | 戦争と人災 | 08:15 | comments(0) | - | - | - |

怒りと、説明のつかない感情。

(アップし忘れ。20110818アップ)


番組のタイトルを忘れてしまったのだけど、
戦争の話で、とある兵士が実情を告発したという。

(あとで調べたら、「イラク米軍脱走兵、真実の告発」かも?)

民間人が、多数死んでいること。
いや、それは、「死んでいる」ではない。
あえて「狙われて殺されている」こと。

「人を殺すのが楽しい」
そんな反吐の出るような人間が
「大国の兵士」という立場を得、
「人を殺すのに長けた武器」を手にした結果、
逃げまどう相手国の民間人を、マトにして撃ち殺す。
「誤射だ」「スパイだ」と大義名分をつけて。

(立場と武器を手にした「結果」、ではないかもしれないけれど。
「銃はパワーがある。人の原始的な記憶を呼び覚ます」と
 聞いたことがある。想像は少し、つく)

この番組では、忘れられない映像がふたつあった。
私はたぶん、一生覚えているだろう。
思い出すと、動きがとれなくなってしまう。
怒り。そして、説明のつかない感情。
……この感情に名前をつけることができたとき、
わたしは、たぶん、何らかの先に進めるだろうという予感。


ひとつめ。
逃げまどう、武器も持たない人を狙って
銃口で追い回して撃つ様子を、
BGMをつけながら動画に編集したもの。
最後、人影は倒れる。同時に重なる歓声。
撮影および編集は、兵士たち。

……彼らにとっては、射的ゲームにすぎないのだ。


ふたつめ。
単車に二人乗りで走ってくる人を
兵士たちが待ち伏せて撃つ。
地面に倒れ、あかぐろい血を流し
動かなくなったそのふたりを笑ってながめ、
近寄ってデジカメで撮影をする彼ら。

あたかも、ハンティングの獲物の記録をするように。


テレビを通して、報道を通して、
私は、これらの映像を、見た。


意味づけとか、重要性とか、
国名とか、人種名とか、
そんなことは
今は、わずらわしいこととして
脇に置いておきたい。
とにかく。


「人間」は、こういう姿も
持つということを、

私は、見た。

私は、忘れない。

ふだんは忘れっぽいけど、
こんなこと、忘れられるわけがない。


誰かが忘れても、
私が覚えている。
emix | 戦争と人災 | 15:05 | comments(0) | - | - | - |

ハラと多喜二。

今更、わたしが
言うまでもないことなのだけれど、
このふたりが、すごく重なる。

何もかも。

本人も、まわりも。



彼らのようなひとたちが、
むごく殺されることのない世界。

それは、そんなに難しいことなのだろうか。

血のつながりもなく、
交友があったわけでもなく、
ただ、遠い時代にいて、
彼らの存在を知識として知っただけの
縁遠いひとりにすぎない者でさえ、
こんなに、胸がいたむのに。


……言い方を変えよう。
難しくしているのは、一体、何なのだろうか?


その問いの「答え」だけは、
彼らの生きた時代にさかのぼるまでもなく、
現在の中に、見つけられるように思う。


……それも、かなしいことだけれど。
emix | 戦争と人災 | 21:39 | comments(0) | - | - | - |

ひとこと。

げんぱつのこと。

そもそものこと。

電力が足りるかどうかで
稼働させるかどうかの論議になっているけれど、
そもそも、その話は、

「放射性廃棄物を、無害なものに処理できる」

ということをクリアしたうえで、
議論のまな板に載せる議題のはず。


夏の電力が、とか
産業が、経済が、とかそーんな話を
重要そうに議題にしている
ニュースや討論番組を見るにつけ、
力が抜ける。

原子力の構造のこと、放射能のこと、
半減期とか、どの器官にたまりやすいとか、
そんな難しい話を考えなきゃいけない
段階の問題じゃないんだよなあ。

そのあたりから、なんとかしなきゃ。


自分の主張をシンプルにするためにも、
ここを主眼に置いて、声を出していきたい。

メモ日記でした。
emix | 戦争と人災 | 08:29 | comments(0) | - | - | - |

村上真平さんのおはなし、そして平和への道。

先日の夜、
菜食料理をつくっている友人とこの
古民家レストランの広間で、
ある方のお話を聞く会があった。

お話をしてくれた人は、
村上真平さん。
福島県飯舘村の日当たりのいい山の斜面で、
水が沸き、川が2本も流れる豊かで広々とした
農地を手に入れて、畑、田んぼのほか
自分たちで小屋を建て、石釜をつくって、
パンを焼いたり、つくったものを売ったり、
外国の農業研修生のお世話をしたり、
そんな素敵な、衣食住の自給自足生活をしている方。
……いや、してきた方。

お話のタイトルは、
「すべてを無にし、未来を奪う原発」。

村上さんが経験したこと、その場にいて判断したこと、
あつめた知識、いろいろ、聞かせてもらった。

長くなるので、また、あらためて話したいと思うのだけれど、
(さいきんそればっかですが)

最後に言われたふたつのことばが、とてもこころにしみたので、
メモ兼、シェアとして。

原発をなくしたい、ということについて、
ガンジーさんが非暴力のまま、
イギリスをインドから撤退させることに成功したことの
話とひきくらべながら、

 「ひとりひとりが、自分たちのこころのなかにある
 『原発は必要』という思いを、それぞれがゼロにすることができれば、
 だれかに強くはたらきかけなくても、原発は、なくなります。
 私は、原発は確実になくなる、と思っています」

ということを、言っていたのが、ひとつ。

……友人が後悔しているので、例に出すのは申し訳ない気がしながら、
このことに関する「心の構造」としてわかりやすいので書いちゃうと、
とある選挙で、バックボーンが弱い人(原発はダメ!)、
強い人(原発ひつよう!)、未知数な人(原発ダメでしょう)という
3者が出たことがあった。
友人は、「バックボーンの強い人」を、絶対に通したくないと思って、
そのために、ちょっとあやふやな「未知数な人」に、票を入れた。
「バックボーンの弱い人」は、意志がはっきりしていたから
言っていることとしては、賛成、応援したいと思ったけれど、
党派のこともありきっと通らないだろう、
通らなければ意味がない、と判断した、と。

結局、彼の読んだ、その通りになったのだけど、
「未知数な人」は、通ってから、
「原発はダメとはいっても、即時停止は現実的じゃないよね」と
なにかにしがらんで、日和った。

(抽象的に話してたのに、三重県民にはバレバレですね)

「未知数な人」を通した、ヘンなちからは、何なのだろう?
「原発は絶対にダメ」といっていた人に、共感しながら、
バックアップできなかった「はたらかなかったちから」は、何なのだろう?

自分のなかの打算とか、まわりはどうするだろうかという
うかがいとか、効果があるだろうかというたくらみとか、
それら、「本心とは違う、雑念」と「自分の願い」とをより分けて
ひとりひとりが、「自分の願う、本心」に
誠実に、シンプルになれば、「思い=結果」になる、そう思った。

「沈黙の艦隊」、海江田艦長も言ってた。

「理想を現実にするのは、かんたんなことです。
 私とあなたと、同じ夢を見ればいい」(意訳)

理想の実現をはばむのは、ほんとうは外圧なんかじゃなくて、
「その理想が、かなわないのではないか」という、自分自身のおそれなのだ。


それと、ふたつめ。
村上さんはNGOの活動もされているのだけれど、
ワールドトレードセンターの9/11のテロのこと、
あれを見て思ったことは、
「これほどまでに、怒りが深いのか」
だったと話していた。

テロという手段は、もちろん、ほめられたことではない。
ただ、村上さんの視点が、
「大国にふみにじられる側に、寄り添っている」、ということ。

日本という「中途半端」な国にいて、この視点を持つこと。
絶対に、忘れたり、目をそらしちゃいけないと思った。

「テロはいけない、ひどい」
その事実の、もうひとつ先に、視線をすすめなければ。

加害者の立場。被害者の立場。
大樹の傘の下にいる者。
やどりぎのように、養分をもらう者。

……誰かを責めたり、あわれんだり、
じぶんたちを卑下しようというんじゃない。

ただ、自分が立っているところはどういう因果の場所で、
自分の上や、下や、となりに、どんな立場のひとが
いるのかということを、きちんと知ること。

そこから、ちゃんと順序を追ってはじめないと、
ほんとうのことを見ることも、知ることも、
「自分自身が耳をふさぐせいで」、叶わない。

……結局、同じ、ひとつめの話にくっついちゃったなあ。

ともかく、いいお話でした。
他にも、思うことがたくさんたくさんあり、
書ききれないのが、もどかしいですが、
まずは、このふたつの感想を書き記しておきたくて、
遅まきながら、記録。


※……自分で書いておきながら、どっかで聞いたなあと思ったら
『アルケミスト』(パウロ・コエーリョ著)の中のことばに似ているのでした。
お手持ちのかたは角川文庫版のP.141を見てね。
忘れっぽい自分のために、抜き書きしたりしてます。よかったら。

http://www.emix-express.com/e-wave/specials/quote/alquimis.html

emix | 戦争と人災 | 08:13 | comments(0) | - | - | - |

「ちょっとだけだから、だいじょうぶ」。

「悪い夢を見ているみたいだ」と、
3/11以降、思うことは何度もあったのだけど、
また、あった。

雨水にまじった放射性物質が、汚泥として濃縮され、
既にコンクリにまぜられてしまったことも
ちょっと前に報道されて、くらっときたのだけど、

今度は、それらの処理に困ったあげく、
意志を持って「肥料に混ぜる」んだそうで。
「ちょっとだから大丈夫」なんだってさ。


……よし、そこまで言うなら一筆、付け加えてもらおうか。

「この「ちょっとだけ」の以後、この肥料を使った土地で
 放射性物質が消滅するまでの期間に起こった
 放射能が関係する病気、災害、すべてのことに対して
 国と関連電力会社が責任をとります」と。

加えて、

「なお、「放射能が関係するすべてのこと」と
 この汚泥に含まれる放射性物質との
 直接の因果関係が明らかにされなくても、
 責任は、変わらないものとする。
 「大丈夫」の検証も行わないまま、根拠も明らかにしないまま
 「やる」とおこなったことなのだから、
 それを受けて必然に行われる、同様の拡大解釈である」

って、つけくわえよう。

……「そんなの横暴だ」「無茶言うな」と思えたなら、
我が身の行いをふりかえって、
「そもそも」のことに、気づいてほしい。

放射性物質の消滅まで、責任とれる人なんて、
誰一人いないってことを。

地位、権力、名誉、そんなものが当然のように身近なかたがた、
あなたがたはいま、獣憑きになっている。
いわゆる、キツネ憑き、じゃなくて
「エコノミックアニマル」という獣の。

……まあ、自分では気づけないのだから
「憑きもの」なのでもあるのだけれど。

くそう、京極堂、彼らの憑きもの落とし、してくれないかなあ。
(c.京極夏彦「京極堂シリーズ」)

……なんや、前置きが長くなりました。
以下、友人から転送してもらったメールより。


--------------

■すべての野菜に放射性物質が

福島第一原発の爆発事故の影響で、
関東東北には大量の放射性物質が降り注ぎました。
そして、その放射性物質は、雨などによって
川や下水に流され、泥に混ざって下水処理施設に流れつきました。
その量は、関東の一都六県で、何と30000トンとのことです。

そして、この30000トンの放射性物質を含む汚泥は、
当然業者に引き取ってもらえません。
もし引き取ったとしても、国が利用を許可しなければ
どうすることも出来ないからです。

その結果、どうなってしまったかというと、
自治体の保管場所に置いておくしかなくなり
あと1〜2か月で保管場所がなくなるという状況になってきました。

そこで、農林水産省が何をしたのかというと、
この放射性物質を含む汚泥について、
放射性セシウム濃度が1キロ当たり200ベクレル以下であれば
肥料として使用を認めるという基準を発表しました。

なんと、全国の農地にばらまいていいことになったのです。

ここで、1キロ当たり200ベクレルというのは
どのくらい高濃度であるのかが問題になってきますが、
小出裕章氏いわく、尋常なことではないとのことです。

農林水産省は、放射性物質を含む汚泥を肥料としてまいたとしても
土の中の放射性セシウムの濃度は
過去40年程度の変動の範囲内で抑えられると言っているそうなのですが
小出裕章氏いわく、1000倍のケタとのことです。

というわけで、この肥料が出回ることで、
日本全国の野菜や果物が、放射能汚染されていくことになります。
そのため、これまで産地を選んで食品を買っていた人も、
関東や東北で獲れた野菜を食べていた人と同様に
内部被ばくしていく可能性が上がります。

結局、日本国民みんなで
公平に内部被ばくしましょうということですね。

★ 放射能汚泥 関東3万トン 
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2011070190071537.html

★ 膨大な汚泥肥料、使用基準を公表 農水省
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110625ddm012040140000c.html

★ 放射性セシウム含む汚泥の焼却灰の肥料利用について 小出裕章
http://hiroakikoide.wordpress.com/2011/07/01/tanemaki-jun-30/

emix | 戦争と人災 | 11:17 | comments(0) | - | - | - |

今日のおひさま。【復員】

今日のおひさま。

あらためて、思う。

「心ある作り手さんが、思いを込めて、大事につむいでいるものがたり」なのだなあ、と。

今日は終戦後、復員してきたひとたちのはなし。

幼なじみのたけおくんが復員してきて
ただいまーっと、普段の帰宅のように
なーんかふつうに自分の家に帰ったとき

(途中にとある用事のために学校に寄り道をしたので、そこでのできごとに気をとられて
なんか、一気に戦地→日本、というより外出→帰宅 の感じになったのです)、

おかあさんが、びっくりして、うれしくて、
どうやって喜びを表したらいいかわかんない、といったかんじにとまどったあげく、
とにかく、ああもう、よかった、といううれしさあまって、やけっぱちなかんじで
「ばんざーい、…ばんざあい!」と団扇をふりあげて。

かつて言わされてた、送り出すときの
温度のない「ばんざい」とは明らかに違う、
血の通った、「ばんざい!」。

……「ばんざい」という言葉が
戦時中にまとわされていた
かなしいモノから解放された瞬間。
そんな気がした。

ああ、よかった。
ひとも、ことばも。


……そして、いやあ、かずなりさん。
よかったー。よかったー。



それにしても、「復員」ということがはらむ
哀しみの大きさ、傷の深さ、それらを
まず、少し軽やかにしてくれた回だったなあ、と思った。

復員のひとの顔が映されるたび、
そこに「かつてはなかった影」を見つけてしまうのではないかと
おそれてしまうのだけど、今回は、そこはなかった。

まず、よろこべた。よかった。


でも、当然、「帰ってきたよかった」のまま、終わらない訳で。
次週予告、つらいなあ。


……今日の終わりに連想したのは、
福永武彦著『草の花』の汐見茂思。

人を殺す戦争に行きたくない、そう言って出征し、
でも、生きて帰ってきた彼。

戦争のことについては、いっさい口を閉ざしていた。

でも、生きて帰ってきた、ということは、
殺される側ではなく、殺す側で「生き延びた」という
ことでもあり。

生きて帰ってきた人たちは、
望まなかったのに、哀しいことに、
皆、……「そっち側」なのだ。


emix | 戦争と人災 | 08:32 | comments(0) | - | - | - |

今日の「おひさま」。作り手の思い。

今日の「おひさま」。

ああ、「占領」されたんだなあ、日本。
教科書に墨を塗る授業風景にひきつづき、
学校にあらわれた進駐軍の姿に、まじまじとそう思った。

子どもたちに間違ったことを教えてしまった……
そう責任を感じて教師をやめようと考えるようこに、
「つらいほうを選びなさい。責任を感じているなら。
 私たちのように流されない人間を作ること、それが私たち教師の仕事でしょ」
と、ようこの元担任(だっけ?)、なつこ先生。


「国の教えること(軍国主義的教育)が間違っていると思うなら、逆らうべきだった」
そういう進駐軍のひと。
「できたわけがないでしょう」思わず声をあげる先生。


そして、「国民学校になってから教師になった者」と
ようこを指名して、何事かを伝えようとする進駐軍に
ようこが女学生時代の英語の先生であり、今は同じ教師の立場である
飯田先生(生徒たちの間でのあだなはオクトパス)が
彼が話し出そうとする言葉を遮るように、
「彼女はとても英語を愛していた、僕の優秀な生徒だった」と言い募る。

(「国民学校になってから教師になった者」を、排除しようとしていた……
戦後、そういうことがあったのを、私は初めて知った)

そして、進駐軍とともに去っていく先生(通訳で来てた)を
ようこが「飯田先生!」と呼びとめると、
目で笑って、きゅっと口をとがらせて
「オクトパスでいいですよ」と。

進駐軍の人は、もしこれを聞き取っていたとしても
今ここで、なぜ「蛸」という単語が出たかわからないだろうし、
危険な単語ではないから、気にもとめなかっただろう。

……「蝶の舌」だ。



そして、戦争から生きて帰ってきた
ようこの兄、次男のしげきにいさん。
(長男のはるき兄さんは、戦死した)

これから潜水艦に乗って出撃するという長男はるきと
戦地で会う機会があり、こわい、という兄に
自分は怖くない、死ぬのは覚悟している、と言って
「ご武運を」的に敬礼のみをもって送り出す。
それを後悔するしげき兄さん。

「僕は、兄さんに建前を言った。本音を言うべきだったのに。
 本音を表してこわい、という兄さんに軽蔑さえいだいてしまった」

兄弟に、家族に、親しい人に、
自分は本音で接せずに、建前を言ってしまったことを
慟哭するほどに後悔するひと。

やさしいひとが、傷つく世界。


ああ、書ききれない。


夜になったら薄れてしまうので、
とにかく、自分的にキーワードなシーンを
書き留めました。


なにもかもが、今の問題と重なって思えて、
いや、「重なっていることを、知ってくれ」と
作り手のひとたちの思いを感じて、
この感じた気持ちは、忘れちゃだめだと
思ったのでした。


ものがたりの、なかの思いと、
伝え手の、思い。


いい作品だなあと、
いろんな意味で、思います。


とりいそぎな日記。


emix | 戦争と人災 | 08:25 | comments(0) | - | - | - |

放射能と癌の関係。

昔のNHKスペシャルのアンコール放送「封印された原爆報告書」を見ていた。

番組の中で、
ある少女は「家に帰りたい」と訴えながら原爆の後遺症で亡くなった。
家族がその遺体を背負って帰ろうとする中、医師たちに声をかけられ、
「同じ苦しみを味わっている、他のひとのためになるならば」と献体に応じた。
しかし、解剖された彼女の細胞標本は、アメリカに持ち去られ、
日本で被爆者のために使われるのではなく、
核を活用するほうの参考資料として使われた。

またある人は、10代の医学生で、原爆が落ちた後のヒロシマに入り、
直接原爆を浴びていないのに被爆者たちと同じ症状が出て……つまり「入市被曝」をし、
入院したところで、主治医のひと(たぶん)に「詳しく記録をとっておいたほうがいい」と言われ、
日々、症状の記録をつけた。
そして、その記録をあるアメリカの医師が求めていうことを聞き、
「自分と同じ、入市被爆者たちの助けになるならば」と
願いを込めた後記を書き添えて、その医師に記録を託した。
……その彼の手記も、被曝者たちのために使われることはなかった。

これらの数々が、「封印された原爆報告書」。
このほかにも、とてもたくさんある。

そして、またある人は、幼い頃に親戚の安否を確かめようとする母と一緒に
原爆が落ちた後のヒロシマに入ったことで「入市被曝」をし、癌に冒され、長く苦しんだ。
原爆が原因だと認めて欲しい、という訴訟を起こすも、なかなか認められず、
ようやくさきほどの医学生の手記に行き当たるも、間に合わず、亡くなった。
この方が亡くなってしばし後、ようやく国は「原爆が原因」と認めた。


……これらの話で、思うところは山のようにあるものの、
ふと、この中で語られたひとつの事実のはらむ可能性に、
どきりとした。

ひとつの事実とは、
「国は、癌を、原爆(放射能)が原因だと認めたくない」。

これが国の前提としてあるならば。

少し、話は遠くに飛ぶのだけれど、
癌の原因として言われている「生活習慣」や「たばこ」、そして「家系」、
本当に、癌の原因として、大きなものなのだろうか?


国は、「たばこは癌の原因になりますよ」とお金をかけてアピールし、
たばこのパッケージにそれを記載するように義務づけまでして圧力をかけている。

……だけどさ、たばこを毎日吸っていて、しかし
肺癌以外の癌で亡くなった人……やけに多いような、気がしないか。


邪推とかはよろしくない、と思いつつも、
今、本当のものを見ようとしたら、邪推を交えながら可能性を探ることが
必要な気がしているので、あえて。

「癌の原因の大きな一つ=放射能」

ということから、目をそらしたい意志が
国にはあるのではないか?


とある同年代の知人の故郷は
爆心地から60kmほどの地点。
祖父母は、若いうちに病気で亡くなった(何の病気だったかは不明)。
その子どもたち(私たちからいえば、親世代)のうち、
一人は20代で、ふたりは50〜60代で癌になり、亡くなった。

今までは、漠然と、そういう家系なんだろう、と思っていたのだけど、
もしかしたら、という思いが、少し首をもたげている。

それに、チェルノブイリほか、様々な
原発事故、核実験などなど、
原爆以外で世界にあふれだした放射性物質たち。

核実験については、
以前、知人のサイトで動画が紹介されていたけれど、
ほんとうにものすごい数が、行われている。
http://www.youtube.com/watch?v=jfpQNfcRE1o&feature=player_embedded#at=81

私たちは、もしかしたら、
たばこを「わかりやすい敵」として人身御供にしたい
誰かの意志に対して、
知らず荷担をしてしまっているのかも、しれない。

……以上、邪推であって欲しい、推測たちでした。





※癌、とひとからげにしてしまっていますが、
 放射能が影響する病気全般を思えば、
 正しくは、遺伝子関係の病気、というのが正確かもしれない。
 そのへん、あいまいですいません。
emix | 戦争と人災 | 08:25 | comments(0) | - | - | - |

私たちに今できることーー想像。

ちょっと書き分けの余裕がないので
また、ミのつく場所からの転載です。

両方見てくれてるひと、いたらごめん。

-------

友人が、ツイッターで書いていた。

「ねぇ、何でみんな冷静でいられるの?好転するどころか酷くなっているっていうのに、日に日に日常化していく日本。これは良いことなの?どうなの?誰か教えてくれよ。」

ほんとにそう思う。
ニュースと現状、
新聞が伝える状況とテレビの番組編成とのギャップ、
規制と伝言のはてに薄まった、あるいは意識的に薄められた
「行儀のいい」悲劇や感動話の数々。

あと。
こういう話がしばしば聞かれる。

「日本全体の復興のため、無事な地域は経済をまわしていかなきゃ」。

このことを、100%否定する気はない。
親鳥がちゃんと食べて元気じゃなきゃ、
ひな鳥たちにえさを運べないのだから。
体力のない人が助けにいったって、
おぼれる人を救いだすことはできないのだから。

でも、条件つきで、200%否定したい。

「今まで通りを、肯定するな」と。
「目を逸らすな」と。
「自分は関係ないと思うな」と。
「終わったなんて思うな」と。

今あっちで起きている現実への想像、
未来への想像、
これらができないなら、この言葉を
軽々しく、免罪符のように使うんじゃない、と。


現地の状況を想像するよすがとして、
医療スタッフとして被災地で働いた
看護師さんの日記をリンクしておきます。

長いけど、いっぺんにじゃなくていいので
あの日から今日までの全部の日記を、ぜひ。

http://blog.goo.ne.jp/flower-wing


……さあ、このうえで、
私たちは私たちの仕事、がんばっていかなきゃね。
涙をかくさないでいいぶん、私たちはめぐまれてる。
emix | 戦争と人災 | 14:50 | comments(0) | - | - | - |
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